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ロシア人の名前について

 

次は、悩んでいる方も多いでしょう、ロシア人の名前についてです。原則は次の二つ。

・普通、個人の名前+父称+家族の名前(姓)となっています。父称とは、父親の名前に接尾辞をつけて「〜の息子(娘)」という意味を添えたもの。そして、会話の中では、名前+父称で呼びかけあうのが普通です。肩書を付けて呼ぶ時は、父称でなく、肩書+名前+名字となります。

例えば、イワン・イワノビッチ・イワノフ(日本における山田太郎さん、というような代表的な名前)の意味は、「イワノフ家のイワンの息子のイワン」という意味です。(イワノフ家というのも、もともとはイワンの家、という意味です)

・そして、名前には親しさの度合いや、年齢などによって、愛称が何種類も存在します。例えば「イリーナ→イリンカ、リーナ、イリーシャ、イーラ、イルーニャ、イルーシャ、イレーナ、レーナ、イーナ、イヌーシャ、アリンカ、アリーシャ、アリューハ、アリューシャ 」といった具合です。とても全ての名前に、こんな対応で名前を覚えるのは無理……。

代表的な名前

語源 男性名 父称・男性の場合
(女性の場合)
代表的な愛称
ギリシャ語アレクサンドロス(人々の守護者) アレクサンドル アレクサンドロビッチ
(アレクサンドロブナ)
サーシャ・シューラ
ギリシャ語の「守護者」 アレクセイ アレクセイエビッチ
(アレクセーエブナ)
アリョーシャ
ギリシャ語「日の出」 アナトーリィ アナトーリエビッチ
(アナトリーエブナ)
トーリャ
ラテン語の氏族名「アントニウス」 アントン アントノビッチ
(アントノブナ)
アントーシャ
イエスの最初の弟子聖アンデレ
(ロシアの守護聖人)英名「アンドリュー」
アンドレィ アンドレービッチ
(アンドレーエブナ)
アンドリューシャ
ギリシャ語の「アルカディア(地名)の男」 アルカージィ アルカージエビッチ
(アルカージエブナ)
アルカーシャ
あだ名「小さい」より。
13世紀のモンゴル侵攻に関係?
ボリース ボリーソビッチ
(ボリーソブナ)
ボーリャ
ラテン語「繁栄する」 ワレンチン ワレンチーノビッチ
(ワレンチノブナ)
ワーリャ
ギリシャ語「王者らしい」 ワシーリー ワシーリエビッチ
(ワシーリエブナ)
ワーシャ
ラテン語「征服者」 ビークトル ビクトロビッチ
(ビクトロブナ)
ビーチャ
スラブ語の「世界+支配」 ウラジーミル ウラジーミロビッチ
(ウラジミロブナ)
ワロージャ
キリスト教の聖ゲオルギウス(農夫の意)。
英名「ジョージ」
ゲオールギィ
(俗称イーゴル)
ゲオーロゲビッチ
(ゲオーロゲブナ)
ジョルジュ・ゲーラ
(イーゴルの愛称はイゴールシュカ)
ギリシャ語「用心深い」 グリゴーリー グリゴーリエビッチ
(グリゴーリエブナ)
グリーシャ
ギリシャ語「デメテル信奉者」 ディミートリィ ディミートリエビッチ
(ディミートリエブナ)
ミーチャ
ギリシャ語「よい生まれ」 エフゲーニー エフゲーニエビッチ
(エフゲーニエブナ)
ジェーニャ
ヘブライ語「神は恵み深き」。
英名「ジョン」
イワン イワノビッチ
(イワーノブナ)
ワーニャ
ギリシャ語「ヤハウェは神なり」。
英名「イライアス」
イリヤー イリイッチ
(イリーニチナ)
イリューシャ
ギリシャ語「主の」。また、ロシアに
ギリシャ正教を布教した聖人。
キリル キリーロビッチ
(キリーロブナ)
キール
ラテン語で「堅固な」 コンスタンチン コンスタンチーノビッチ
(コンスタンチーノブナ)
コースチャ
ロシア語で「ライオン」 レフ リボービッチ(
リボーブナ)
リョーバ
ヘブライ語の「誰か神の如き」。
英名「マイケル」
ミハイル ミハイロビッチ
(ミハイロブナ)
ミーシャ
ラテン語「最も偉大な」 マクシーム マクシモービッチ
(マクシモーブナ)
 
ギリシャ語「勝利した人々(女神ニケに由来)」。
サンタクロースである聖ニコライ(ロシアの守護聖人)。
ニコライ ニコラーエビッチ
(ニコラーエブナ)
コーリャ
古期ノルウェー語「繁栄した」 オレーク    
ラテン語「小さい」。英名「ポール」。
(新約のパウロ)
パーベル ハブロビッチ
(パーブロブナ)
パーシャ
ギリシャ語で「石」。英名「ピーター」。
(新約のペテロ)
ピョートル ペトロービッチ
(ペトローブナ)
ペーチャ
ラテン語の氏族名に由来。 セルゲイ セルゲエビッチ
(セルゲーエブナ)
セリョージャ
キリスト教最初の殉教者ステパノ。
ギリシャ語の「冠」。
ステパーン ステパノビッチ
(ステパノブナ)
スチョーパ
ギリシャ語「神の贈り物」。英名「セオドア」 ードル ードロビッチ
(フードロブナ)
フェージャ
ギリシャ語「農夫の」。英名「ジョージ」 ユーリー ユーリエビッチ
(ユーリエブナ)
ユーラ

 女性名のほうは、父称号をつくりません。

語源 女性名 主な愛称
男性アレクサンドルに同じ アレクサンドラ サーシャ・シューラ
ギリシャ語「キリストの復活」 アナスタシア ナースチャ
男性イワンに同じ アンナ アーニャ・ニューラ
男性アントンに同じ アントニーナ トーニャ
殉教聖女バルバラに由来。意味は「外国人」 バルバーラ バーリャ
男性ビクトールに同じ ビクトーリア ビーチャ
スラブ語で「信仰」 ベーラ ベーロチカ
男性エフゲーニーに同じ エフゲーニヤ ジェーニャ
ギリシャ語の「カテリナ(意味不明)」。殉教聖女カタリナの名。 エカチェリーナ カチューシャ・カーチャ
ギリシャ語の「ヘレン」 エレーナ レーナ
ヘブライ語「神は誓った」。英名「エリザベス」(ヨハネの母) エリザベータ リーザ
  ジナイーダ ジーナ
ギリシャ語「平和」 イリーナ イーラ
  クセーニア クセーニチカ
ロシア語「百合」に由来 リーリア リーダ
ロシア語「愛」に由来 リュボーフ リューバ
スラブ語「人々の慈悲」に由来 リュドミーラ ミーラ・リューダ・リューシャ
  マグダリーナ マーグダ・リーナ
聖母などの名「マリア」 マリーア マーシャ・マーニャ・マルーシャ
ロシア語「海」に由来 マリーナ  
  マトローナ
(俗称マトリョーナ)
モーチャ
ロシア語「真珠」に由来。殉教聖女マルガリタの名 マルガリータ  
ロシア語「希望」に由来 ナジェージュダ ナージャ
ラテン語「誕生の」に由来 ナターリア ナターシャ
  ニーナ ニーノチカ
男性オレークに同じ オーリガ オーリャ
ギリシャ語「知識」に由来 ソフィア ソーニャ
スラブ語「光」に由来 スベトラーナ  
  タマーラ タマーロチカ・トーマ
ラテン語の氏族名に由来 タチヤーナ ターニャ
ギリシャ語「ユピテル」に由来する
氏族名「ユリウス」の女性形「ユリア」?
ユーリア ユーリャ

そして、名字については……

名字(男性で一人の場合) 語源 女性だったら……
ゾーロトフ ゾーラタ(金) ゾーロトワ
ソーンツ ソーンツェ(太陽) ソーンツェワ
クズネツォフ クズネーツ(鍛冶屋) クズネツォワ
プーシュキン プーシュカ(大砲) プーシュキナ
スターリン スターリ(鋼鉄) スターリナ
コースチン コースチ(骨) コースチナ
ペトロフ ピョートル(人の名) ペトローワ
アンドレーエフ アンドレイ(人の名) アンドレーエワ
ニキーチン ニキータ(人の名) ニキーチナ
サドーフニコフ サドーフニク(庭師) サドーフニコワ
シューキン シューカ(魚の名) シューキナ
ムラビヨフ ムラベイ(蟻) ムラビヨワ
トルストイ 太った トルスターヤ
ベールイ ベールイ(白い) ベーラヤ
ドストエーフスキィ   ドストエーフスカヤ
プリセツキィ   プリセツカヤ
ゴーゴリ   ゴーゴリ
アリゲール   アリゲール
シェフチェンコ -кoで終わるウクライナ系の名前 男性と同じ
グロムイコ -кoで終わるウクライナ系の名前 男性と同じ


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